製薬会社と国に「ワクチン被害者救済基金」を創設させよ

 

2023年3月、ドイツのカール・ラウターバッハ保健相は、それまでワクチンの副反応を否定していた立場を変更し、1万回に1回の割合で重度の障害が発生する可能性を認めた。

ドイツのワクチン安全研究財団によると、重度の有害事象は100回に1回の割合で発生するとしているが、ドイツ政府の保健相が副反応の可能性を認めたことは大きな前進と言えよう。

 

我が国の場合、厚生労働省も消費者庁もワクチンの副反応については、国家賠償責任を取らされることを危惧して無視し続けている。重度の障害の発生件数についても、把握していないばかりか、正式に調査しようともしない。(ドイツの場合は、これまで33万件の有害事象が報告されている)

 

日本政府は、他国と同様に、ファイザー、モデルナのワクチンを輸入する際に、製薬会社はいかなる副反応の損害賠償責任からも免責されるという契約を交わしているので、法廷で彼らの法的責任を追及することができない。しかし、当時は、covid19の蔓延という非常事態にあって、政府は副反応の危険性があっても、何らかの対応措置をとらざるを得ないという弱い立場に置かれていた。

逆にいうと、製薬会社は、その優越的な立場を利用して、弱い立場にある各国政府に不利な条件を飲ませていたということができる。実際、半年の研究開発で全く無害なワクチンが開発されるとは(インフルエンザワクチンの開発事例に照らしても)ありえないことであって、そのような無理を承知の上で、政府に不利な契約を結ばせたということは、独占禁止法や不正競争防止法に違反する行為であると批判されるべきものである。

 

よって、日本政府は、製薬会社の行為が、独占禁止法の「優越的地位の濫用」あるいは、不正競争防止法の「限定提供データにかかる不正行為」、「誤認惹起行為」などに該当するのではないかという観点から、製薬会社に対する調査を開始すべきであると思う。

コロナワクチンのスパイクたんぱく質や他の成分が、合併症や副作用をまねく可能性があることは、開発の初期の段階から、学界で知られていたことであり、政府はあわせて、学界の報告も求めるべきである。

 

その過程において、国会が製薬会社に「ワクチン被害者救済基金」の設立を要請する決議をおこなって、世論をリードしていけば、アメリカ以外の政府もこれに同調する動きが出てくるであろう。ファイザーやモデルナの法的責任を法廷で追及することはできないとしても、政治的に追い込んでいくことはできるのではないか。政府と学会と国会の協調作業を望んでおきたい。

(予防接種法では、予防接種による健康被害の補償、賠償は、国が給付するとされているが、厚生省は多忙、財務省は給付額を押さえたい立場にあるので、製薬会社と国が特別法人の「ワクチン被害者救済基金」を設立した方が、迅速かつ多額の給付を行うことができるはずである)

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ワクチン接種後に死亡したケースで臨床医が病理解剖を行い、ワクチンと死亡に関連性があるとした報告をPMDA(医薬品医療機器総合機構)が評価不能としている。

厚労省によると、新型コロナワクチン接種後の副反応疑いの事例については、医療機関や企業からPMDAを通じて厚労省に報告される。PMDAは外部専門家の声を聞き、因果関係評価を実施しているという。

しかし、名古屋大学の小島勢二教授は、22年11月25日「新型コロナワクチン接種と死亡事例の因果関係を考える」勉強会で、PMDAの評価について、臨床医や担当医がワクチンと死亡の関連があるとした診断の報告を、すべて「因果関係が無い」として否定していることに対して、「病理医が診断したものを、そうではないというのはありえない」と述べ、PMDAの評価が医師によって行われているか疑問を呈している。

なお、2019年度のPMDAの総収入額291.3億円のうち、製薬会社からの収入が229.9億円に上り、全体の78.3%となっており、利益相反関係にあるとみられている。