政府機能強靭化法ーー政府機能の破壊にそなえる

 

東南海大地震や関東直下型地震をうみだす地殻のひずみ圧力の増大が報道されている。

列島全体が、揺れ動くような巨大地震は、これまでの想定を超えるものであり、したがって危機管理対策も想定を超えるような事前の対策を準備しておかねばならない。(地震学者の予測によれば、オリンピックの準備に浮かれている暇はないはずだが・・・)

また、中国や北朝鮮からのミサイル攻撃を受け、首都機能が壊滅的な打撃を受ける事態も想定し、すばやく機能回復できるように復元力を高めることも喫緊の課題となっている。

そこで、以下のような基本法を早急に整備することが求められている。

 

政府機能の強化に関する基本法ーーー復元力の強化のために

 

① 政府機関を三年以内に全国に分散配置し、、または通信指揮機能を補完代替する施設を分散配置する。

  文化庁、消費者庁など首都にいなくても差し支えない機関は、地方移転する。

  財務省、外務省などは、予備のデータサーバーを地方に移転するとともに、緊急時に通信、指揮することのできる地下予備施設を配置するものとする。

  (各省庁が壊滅的な打撃を受けた場合に備えるものとする)

国会及び官邸も、予備の地下代替施設を地方に設置しておくこととする。

  (関西の交通至便の地域にミニ霞が関、ミニ永田町を建設しておくのが望ましい)

 

② 政府機関の保有するデータは、二年以内にその予備データを地方に設置するサーバーに分散保管するものとする。

③ 防衛省および警察庁、財務省、日本銀行は、関東巨大災害等の影響を受けない地域に予備の堅牢な地下施設を複数設置するものとする。

④ 大都市の地下鉄駅に避難壕を整備し、食料、医薬品等を備蓄するものとする。(国の全額補助)

⑤ 各県は、備蓄用及び居住用、診療用の移動車両(トレーラーハウス)を所定の数量、計画的に配備するものとする。国は、これについて三分の二を補助する。

(平時は、水、食料、毛布、衣料、薬品、コンロなどを備蓄しておき、有事には災害地に運んで、臨時の居住用、医療用にあてるものとする。)

⑥ 病院船を全国10か所に配置する。(九州、四国、中国、近畿、北陸、南関東、北関東、東北2、北海道)

国費で設置し、維持費は地域県連合の負担とする。

 

⑦ 各県に地震廃棄物をうけいれる一定規模以上の処理施設の建設を義務付ける。平時には温存しておき、有事にのみ受け入れることとする。国は、廃棄処理施設の建設費用の全額を負担するものとし、災害時には受け入れを強制命令することができる。(東北大震災の復興がおくれた最大の要因は、他県の処理場が受け入れにきわめて消極的であったことによる)

 

⑧ 環境省は、廃棄物の配分と受け入れの指示を行い、この指示を拒否することはできないこととする。災害廃棄物の輸送について、環境省は速やかに特別の許可を出すものとする。

(運搬は、一般のトラック、船舶でも可能とする)

⑨ 総理大臣の職務権限を継承する順位を15番まで定めておく。(官房長官、総務大臣、防衛大臣、国家公安委員長、国土交通大臣、財務大臣、経済産業大臣、法務大臣、外務大臣、厚生労働大臣、文部科学大臣、農林水産大臣、環境大臣、衆議院議長、参議院議長の順が望ましいと考える.。米国は、大統領職務継承法がある。

⑩ 内閣その他省庁の意思決定の訓練に役立つ図上および実地の訓練を定期的に行う。

 

 

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なお、米国は、隕石落下や核攻撃に備え100以上の地下都市を建設している。

米国ウェストヴァージニア州にあるグリーンブライアホテルの地下に約1000人を収容する住居施設(これは連邦議会が災害時に移る地下ホテル)。

米国の統合緊急退避計画では、大統領ほか47人の高官のために、50か所の地下式所を用意している。
 
 
●米国メリーランド州の国家安全保障局(NSA)本部の地下は、テクノロジー機器が揃った巨大施 設。
 
●ロッキード社、AT&T、スタンダードオイル社の地下施設、ノースロップ社も地下40階の施設をもつ。

●ペンシルヴェニア州ゲティスバーグとヘーガーズタウンの間の別名「地下のペンタゴン」。通信ネットワークが張り巡らされ、 200万リットルの貯水タンクに…
http://www.abovetopsecret.com/forum/thread288544/pg1

●コロラド州には、NORAD(北米防空司令部)用の巨大地下施設。
●最大はマウントウェザーと呼ばれる緊急事態管理庁(FEMA)の地下施設。オフィス街から舗 装道路、カフェ、ディーゼル発電所まで…

 

なお、危機管理都市議員連盟(石井一会長)は、大阪国際空港に副首都を建設することを提唱している。

 「首都直下地震と首都機能をめぐる問題」(山口広文、「調査と情報」725号、2011)