余剰食料等の有効利用に関する法律(条例)

 

フランスでは2016年、大手スーパーに対して、売れ残りや賞味期限切れの商品の廃棄が法的に禁止され、生活困窮者などへ配給する団体などへの寄付を義務づける「食料廃棄禁止法」が成立した。

延べ床面積400㎡以上の大型スーパーを対象に、
売れ残り食材、食品の自動的な廃棄を禁止するという法律である。

わが国でも、派遣労働の増加や離婚の増大などにより、貧困世帯が急増し、朝ご飯を満足にたべられない児童が増え、栄養の不足した母子家庭などが増えている。(北海道の調査によれば、過去1年間に経済的理由で家族が必要とする食料を買えないことがあったと答えた世帯が20・5%に上っている。2017)

これに対し、流通過程で毎日廃棄される食料(食材と食品)は膨大な数量に上り、その大半は、ごみ処理場に廃棄されるか、家畜のえさに回されている。農林水産省、環境省の推計によると、1年間に約632万トンもの食料が、食べられるのに捨てられてしまっているという。一人当たりにすると、1日にお茶碗1杯ぐらいの分量と言われている。また、値下がりしたため出荷できず、畑で腐らせる白菜、キャベツなども膨大な量に上っている。

そこで、以下の法律(または条例)を至急制定する必要がある。

 

 

 

 

 

余剰食料等の有効利用に関する基本法(骨子)

 

1 この基本法は、売れ残った食料または農産物で健全に人間が食することのできるものの廃棄を抑制するとともに、その再活用を推進することを目的とする。

2 食料(食材、食品または加工された料理をいう)の販売事業者(卸事業者を含む)又は農産物の生産者は、その販売基準に基づき販売に適しないとして廃棄しようとする食料又は農産物のうち、健全に人間が食することのできるものを支援団体(別に定義)に無償で提供するよう努めなければならない。(支援団体は、市町村の第三セクターとして設立してはどうか)

 

2 前項の食料又は農産物の提供を求めようとする支援団体および提供する用意のある販売事業者又は農産物の生産者は、あらかじめ所在地の市町村に届け出るものとする。

3 届け出を受けた市町村は、前項の届出の内容を公開するとともに、支援団体と販売事業者の適切な組み合わせを推進するものとする。市町村は、販売事業者又は生産者と特定支援団体の速やかな組み合わせに資する電子システムを整備するものとする。

 

4 支援団体は、貧困世帯等に食料を無償又は安価に提供する食堂を運営するとともに、適切な冷蔵庫を備えるなど一定水準の衛生を維持していなければならない。

5 食料の販売事業者および支援団体は、提供された食料の内容、量、提供の日時および授受の相手方を記録し、それぞれの店舗および食堂において保管するものとする。

3 市町村は、支援団体の運営する食堂に立ち入り、衛生状態を確認するとともに保管記録を閲覧することができる。

 

(附則)市町村は、速やかに廃棄予定食料の再活用を推進するための実務的な要領を定めるものとする。(輸送費の負担、買い上げる農産物の価格設定など)