家庭菜園推進法

 欧米では、家庭で消費する野菜を育てる菜園が普及していますが、わが国では、農地法の壁に阻まれて、せっかく近くに農作放棄地があるのに、有効に活用されていません。週末の農作業は、レクレーションにもなり、子供たちの情操を養うにもよいので、家庭菜園を普及させる法律が求められています。

 

ところが、農地を耕作目的で売買、贈与、貸借等(権利の設定・移転)をする場合には、農地法第3条許可申請により市町村の農業委員会の許可を受ける必要があります。

 

農地法第3条では、次のいずれかに該当するときは許可されません。

  • 権利を取得しようとする者(その世帯員等を含みます)が、農業経営に供すべき農地のすべてについて効率的に利用して耕作すると認められない場合。(第2項第1号)
  • 権利を取得しようとする者(又はその世帯員等)が農業経営に必要な農作業に常時従事(原則年間150日以上)すると認められない場合(第2項第4号)
  • 権利取得後の経営面積(今回の申請地を含む)が下限面積50アール(5,000平方メートル)未満の場合。(第2項第5号) 
  • 権利取得後に行う耕作等の事業の内容並びにその農地の位置及び規模からみて、農地の集団化、農作業の効率化その他周辺の地域における農地の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に支障を生ずるおそれがあると認められる場合。(第2項第7号)

したがって、家庭菜園に供する場合は、この例外としてこれを認可する法律を作らなければなりません。家庭菜園の定義として、例えば、住居から2時間以内であること、年間54日以上耕作する誓約書を提出すること、一定規模以下であること等の条件を定め、あわせて、共同監督責任者を定めること、農業委員会の耕作指導に従うこと等の義務を課しておけばよいのではないでしょうか。

 これから、農業従事者がますます高齢化していきますので、かれらにとっても、副収入源としてこのような菜園に農地を提供するメリットがあると思われます。