安全保障のための土地保有の制限法

 

近年、中国や韓国資本による我が国の土地の取得が進んでいる。中には、自衛隊の基地の監視を目的に国防上の要地を取得したり(横須賀、対馬、千歳)、外国人の参政権、住民投票権をあてこみ地方自治を左右することを目的に集団で移住したりする例もみられるようになった(対馬、大阪など)。

 

 また、地域に重要な水源を独占し、これを交渉材料にして自治体より有利な条件を引き出したりする恐れも増大している。 特に、中国は、北海道に200万人の中国人を移住させるという長期展望のもとに、日本に設立した企業や日本人代理人の名を利用して広大な土地の取得を進めているようである。(2019年の政府調査では、山林6787ヘクタール、農地14ヘクタールとされているが、登記されないものも多い。平野秀樹姫路大学特任教授は、その十倍はあるとみている。また、登記していても、実態が不明で、中国軍の傘下の企業とみられるものがほとんどである。藤井聡著『中国に食われる日本』)

 

これまで北海道で中国資本に買収された森林や農地などは推定で7万ヘクタール(山手線の内側の11倍以上)。森林の一部は伐採され太陽光発電所として利用されている。(わが国だけでなく、東南アジアにおいても、大規模な土地の取得が進められており、マレーシアでは、ジョホール地区に中国人向けの70万人の新都市建設が中国企業の手で進められ、政治問題となったが、マハティール首相の誕生で中止となった)

このような動きに対し、安全保障上の観点から、外国人の土地保有を制限すべきとの意見が増大している。

 

大正14年に制定された外国人土地法においては、外国人(外国法人も含む)に対しては、日本における土地の保有について、その外国人が属する国が制限している内容と同様の制限を政令によってかけることができると定めている(相互主義)。

また、第4条では、国防上必要な地区においては、政令によって外国人の土地に関する権利の取得を禁止、または条件もしくは制限をつけることができると定めている。しかし、戦後は、これらの政令は定められてこなかった。

 

現在問題とされているのは、WTO規約である。WTOに加盟するとき、土地の権利に関しては、内外無差別の原則の適用除外とすべきであったが、政府の怠慢により、主張しなかった。

そこで、外国人だけに対する差別的な土地保有の権利の制限は認められないと現在のところ解釈されている。

 

 

しかしながら、言うまでもなく、国家の存立にかかる安全保障上の国益は、国際法上において、WTO規約に優先すると解釈すべきであるから、安全保障のために必要な限度において外国人の土地保有に対する制限は、合理的な範囲において許されると解するべきであろう。また、すべての外国人を対象にするのではなく、日本領土の簒奪や防衛情報の収集などを狙っている敵性国を対象にして、仮に取得したとしても、法律により契約を無効とすることは、我が国の安全と存立のために正当化されると考える。

 

とりわけ、日本に滞在する自国民に国防協力や情報収集を義務付けている国(中国及び韓国)に対する制約は、我が国の安全保障を確保するうえで当然のことである。また、安全保障上特別に重要な地区においては、内外無差別で強制収用命令を出せるようにすることも必要である。

 

 

なお、フランス、イギリスも、日本と同じように留保条件を付けないで、WTOに加盟したが、安全保障上の懸念がある場合は、外国人の土地保有の権利を制限することができるとされている。フランスは、水源の保全や食料安全保障を阻害する恐れのある場合は、認可しないことができるとし、イギリスでは、全国土を対象に安全保障上の懸念がある場合は、契約を認めず、または契約を無効にする権限を政府が持っている。

 

なお、2020年の「地域的な包括的経済連携協定」(RCEP)においては、

土地利用に関して「日本国における土地の取得又は賃貸借を禁止し又は制限することが出来る」とする留保条項が盛り込まれたので、これに基づく新たな立法が急がれるところである。

以下の法案は、2018年に考えていた、非常に緩やかな案であるが、これでは間に合わないほど、外国人による土地取得が進行している。

 

 

安全保障重要区域に係る土地の保有制限に関する法律案

 

 

1 国は、防衛施設、警察施設、原子力施設など安全保障上重要な施設(政令で定める)の周囲10キロの範囲を安全保障重要地域として指定し、公表するものとする。安全保障重要地域において所有権、賃貸権等の移転に関する契約を締結した場合は、当事者は、その金額、原資、支払い方法など政令で定める事項について国及び県に届け出なければならない。

 

2 売買届け出のあった土地または法施行前にすでに所得された土地が安全保障特別重要区域(別に定める)にあって、かつその取引が犯罪収益の移転防止に関する法律等に定める疑わしい取引に該当する場合は、土地収用法の規定にかかわらず、これを当該土地の保有者より強制的に収用することができる。 収用命令を受けた土地の保有者は、三か月以内に当該土地および付属施設を明け渡さなければならない。日本の銀行を経由しない売買資金の移転は、疑わしい取引とみなす。


2 国が当該土地および付属施設を強制収用する場合は、過去三年間の売買価格の平均価格で収用するものとする。売買実例がない場合における土地および建築物その他の付属物の評価については、国の選任する三人の不動産鑑定士の鑑定価格の平均とする。

 

 

3 日本に居住する自国民に対し、自国の法令による国防協力または情報収集の義務を課している国の個人または法人は、安全保障重要区域内の土地の保有について登記をすることができない。すでに登記されているものは、これを無効とする。(日本に滞在、居住する中国人、韓国人は、国防動員法により有事には、日本に対するテロ、ゲリラ活動等が指令され、これに従う義務を課されているので、土地保有を制限する必要がある。情報収集の義務も課されている。保有しても、第三者に対し所有権等を対抗することができないこととする。)

 

4 外国人(法人を含む)が安全保障特別重要区域に保有する土地および付属施設は、当該国の国防動員命令が下された場合、これを直ちに没収するとともに、その使用および立ち入りを禁止する。

 

5 安全保障特別重要区域において土地を保有する個人または法人の関係者が、犯罪行為その他我が国の安全を阻害する活動を行った場合は、国はその土地および付属施設を没収することができる。

 

6 都道府県または国は、安全保障上必要と認めたときは安全保障特別重要区域内の土地および付属施設に事前の通告なく立ち入り、検査を行うことができる。

 

 7 所要の罰則を設ける。

 

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一番簡単なのは、今も生きている外国人土地法(大正14年)を活用することである。

1条は、次のように規定する。

「帝国臣民又は帝国法人に対し土地に関する権利の享有に付禁止を為し又は条件若は制限を附する国に属する外国人又は外国法人に対しては勅令を以て帝国に於ける土地に関する権利の享有に付同一若は類似の禁止を為し又は同一若は類似の条件若は制限を附することを得」

 

したがって、議員立法で帝国臣民を日本国民に、帝国法人を日本法人に、勅令を政令に変更すればよい。そして、政令で次のように定める。

   この政令の施行後は、外国人または外国法人の土地保有の権利は、相互主義に基づき付与するものとする。(保有は、別に定義)

 

さらに、同法を次のように改正する。

1 日本に居住、滞在する外国人、外国法人で、当該外国の法律により、国防の義務または情報収集の義務が課されている者は、直ちに土地保有の状況を都道府県に届け出なければならない。同者が実質的に管理に関与する法人、団体も同様。

 

2 当該外国の法律により、国防協力の義務または情報収集の義務が発令された場合は、当該外国人、外国法人の保有する土地は没収するものとする。

 

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外国勢力による安全保障上の脅威となりそうな土地の利用を防ぐ「重要土地等調査規制法」が

令和4年9月に全面施行された。

政府は対象となる条件などを盛り込んだ基本方針を同月に策定。

原発を含む原子力関係施設を対象施設としたほか、

重要施設の機能を妨げる行為としてレーザー光の照射や妨害電波の発射などを例示した。

防衛施設周辺の土地利用を制限 重要土地規制法施行へ基本方針を決定

 以下は、サンケイの記事(6年3月24日)

経済産業省の再エネ事業計画認定表によると、今年1月31日現在、同県内で認定された太陽光発電や風力発電の事業計画は6518件。その中で登記簿や業界関係者の証言から中国人や同国系資本が関係するものは少なくとも290件余りある。青森市や三沢市など6市13町4村(地図参照)にまたがり、中には1社で133件の事業を認定された企業もある。

海自施設そばで風力発電事業

経産省の資料などを手掛かりに調べると、上海電力日本(本社・東京)が代表社員を務める「東北町発電所合同会社」(同)が東北町塞ノ神18-2など12筆、計約37万平方メートルに地上権を設定登記し、太陽光発電事業の準備を進めている。一帯は航空自衛隊東北町分屯基地から約10キロの地域だ。

上海電力日本が代表社員を務めていた「合同会社SMW東北」(同)も海自大湊地方総監部に近いむつ市城ケ沢と海自樺山送信所に近い同市関根、竜飛崎近くの津軽海峡に面する外ケ浜町の3カ所で風力発電事業の認可を取得。上海電力日本との関係が指摘されているE社(同)も外ケ浜町など3カ所で風力発電事業の認定を受けている。上海電力日本は平成27年に農業生産法人「水杜の郷」(茨城県つくば市)と共同出資して「SJソーラーつくば」(本社・東京)を設立しているが、関係者の証言などによると、E社の前社長は水杜の郷の設立に強く関与したとされるほか、登記簿によると、一時期、SJソーラーつくばの役員を務めていた。

SMW東北とE社が事業認定された6カ所の登記簿には地役権(一定の目的を達成するために他人の土地を利用する権利)を設定登記した1カ所を除き記載がなく、土地が買収されたのか、地上権が設定されているのか、実際の権利関係は不明だ。

E社はさらに、むつ市城ケ沢下田と同市大川迎の2地区で小型風力発電事業を計画。地権者によると、20年間の地上権設定契約を締結して地代を一括で受け取ったが、下田地区の地上権設定契約はその後、E社からF社(本社・青森)に差し替えられ、大川迎地区についても昨年10月、E社からG社(本社・大阪)に契約先が変わった。地権者は「詳細な経緯は分からない」と話す。地権者承諾なしに売却・譲渡可わが国では不動産は買収しなくても地上権設定契約を交わすことで自由に利用できる。太陽光・風力発電の場合、地権者と事業者との間で設定期間が30年前後の長期間にわたる地上権の設定契約を結ぶケースがほとんどだが、この契約を結ぶと事業者は契約期間中、地権者の承諾なしに地上権すら転売、譲渡が可能だ。

地権者は発言権がないまま固定資産税を払い続けるしかない。つまり、事業者は地上権が有効な期間は広大な土地を実質所有できるのだ。しかも不動産登記の義務がないから実態は不明。ここに大きな落とし穴がある。

宮城県宅地建物取引業協会の佐々木正勝会長は地上権の持つ危険性を指摘した上で、「国土を守るためにも自分の権利を主張できる特約条項をつけるべきだ」と注意を促す。