公職者の資格要件に関する法律

 

海外生活する日本人家庭が増えるに伴い、重国籍を持つ国民も増えてきた。例えば、米国は属地主義の制度を採用しているので、米国で生まれた日本人の子供は自動的に米国籍を保有することになる。

わが国では、22歳に達する前に(20歳以降に重国籍となったものは2年以内に)いずれかの国籍を選択しなければならないこととされている。

しかし、この手続きを忘れているものも少なくなく、こうした場合には、忠誠の対象が分裂することになり、公職者については重大な問題が生じかねない。

よって、公職者の忠誠を日本に絞るため、重国籍禁止法を制定する必要が生じる。

 

また、米国の上院議員の被選挙権年齢は 30 歳以上、9 年以上合衆国市民で、選挙される時に選 出される州の住民でなければならず、 下院議員の被選挙権年齢は 25 歳以上、7 年以上合衆国 市民で、選挙される時に選出される州の住民でなければならないという規定がある。我が国においても、見習うべき要件である。

 

(米国籍を持っていた小野田紀美参院議員は、22年9月に米国籍を離脱したことを公表し、他方立憲民主党の蓮坊議員がいまだに台湾国籍を離脱していないことを非難した。蓮坊議員は、親中的な発言を繰り返していることをみると、台湾国籍以前に別の国の国籍を保有していたのかもしれない。)

 

法案概要

1 公職者(特別職および一般職公務員をいう)は、重国籍を持たない日本国民でなければならない。

2 重国籍をもつ日本国民は、公職の候補者になることができない。

3 重国籍を持つ公職者は、この法律の施行後1年以内に他の国籍を放棄し、日本国籍を選択しなければならない。

4 この法律の施行後1年を経過した時点で公職にある重国籍者は、その公職を失う。

5     公職の候補者は、10年以上日本国籍を保有し、かつ選任されたときに国内に居住していなければならない。(海外に居住しつつ、参議院議員に当選したガ―シーの悪例がある)

6 公職の候補者は、応募に際し、過去3世代にわたり、父方母方の国籍を公表しなければならない。

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なお、公務員の国籍条項について、ウィキペディアは、次のように記載している。

1953年3月25日に内閣法制局の「法の明文の規定が存在するわけではないが、公務員に関する当然の法理として、公権力の行使または国家意思の形成への参画にたずさわる公務員となるためには、日本国籍を必要とするものと解すべきである」とする見解(「当然の法理」)が示し、国家公務員について日本国籍を要件とするようになり、地方公務員も定型的な職務に従事する官職を除き、日本国籍を必要とするようになった。このような見解が出されたのは、いわゆる内地戸籍法の適用を受けない者につき、日本国との平和条約の発効により日本国籍を失う(これにより平和条約国籍離脱者が現れた)という行政解釈がされたことに伴い、外地出身の公務員の身分について疑義が生じたことが背景にあるとされている。この見解により、外地出身者は自動的に公務員身分を喪失することはないものの、一定の官職に就くことはできないこととされた。」

地方公務員については、外国籍の者の採用を認める自治体が増えているが、「公権力の行使」に該当する職務かどうかの判断は自治体に任せられている。しかし、生活保護の認定などは、基準に該当するか否かの定型的な業務ではなく、「公権力の行使」とすべきであろう。各自治体に判断をゆだねるのではなく、総務省が当該職務の規定を明らかにして通達すべきである。(すでに最高裁は、外国人に対する生活保護の給付は、憲法の趣旨に反するということを明らかにしているので、外国人に対する生活保護は自治体が公権力の裁量としておこなうものとみなされよう)