部隊行動基準(ROE)に関する法律(自衛隊部隊行動基準法)

 

欧米では、軍事部隊が展開する場合の作戦行動を相手国の出方に応じて段階的に柔軟に引き上げる部隊行動基準(応戦基準)を制定している。rule of engagement(ROE)と呼ばれるものであるが、これを公開することによってある程度相手国の行動にも制約を与えることができるのである。

わが国では、正当防衛、緊急避難といった個々の警察官の行動のルールが援用されているが、これは本来的に部隊として集団行動する軍事部隊の行動にはそぐわないのである。したがって、個々人による正当防衛、緊急避難にかわる新たな部隊行動基準を法律として制定しておく必要がある。

 

東シナ海等におけるシナ軍の行動が近年明らかに威嚇的な威力偵察を繰り返していることにかんがみ、わが方もこれに即応しうる部隊行動基準(応戦基準)を作成しておかなければならない。これは、閣議で決定してよいのであるが、できれば自衛隊部隊行動基準法を制定しておいて、あらかじめ部隊に基本的な行動基準を周知させておき、細目は、武器弾薬の高度化、戦術の変化等に応じ、臨機応変に閣議決定で変更しうるように決めておくのが望ましいと考える。

その要綱は次のとおりである。

 

自衛隊部隊行動基準に関する法律

 

外国勢力の威嚇または攻撃により、日本国の領域、国民の身体、生命、財産に侵害がおよびかねない危機的な事態を想定し、それを予防、対処、被害局限する部隊としての行動基準をさだめ、細目については政令または省令により制定するものとする。

 

1 自衛隊の部隊としての行動基準を、陸、空、海ごとに、抑止、対処、被害局限に必要な措置として別に定め、合わせて以下の危機事態における即応措置を政令により定めておくものとする。

 

① ミサイル発射の兆候を察知した場合

①-2 ミサイル発射を探知した場合

② 防空識別圏への侵入の兆候を察知した場合

②-2 防空識別圏への侵入を探知した場合

③ 戦闘機への攻撃の兆候を察知した場合(ロックオン)

③-2 戦闘機への攻撃を探知した場合

④ 艦船への攻撃を察知した場合

④-2 艦船への攻撃を探知した場合。

⑤ 領海、接続区域への侵入の兆候を察知した場合

⑥ 領海、接続区域への侵入を探知した場合

⑦ 島しょ部への侵入、上陸の兆候を察知した場合

⑧ 島しょ部への侵入、上陸を探知した場合。

⑨ 海外に派遣したPKO部隊が部隊への威嚇、襲撃を受けた場合。

⑩ 国内の重要電子システム(交通、電力など)が破壊される兆候を探知した場合

⑪ 国内の重要電子システムが破壊された場合

(それぞれのケースに応じ、警告、威嚇、応戦の措置及びそれぞれの意思決定権者をあらかじめ定めておくものとする。内閣の個々の命令を待つ余裕がない、切迫した事態を想定し、それに応じた対応措置をあらかじめ、現場の部隊に授権しておく必要がある。基本方針は法律でさだめ、細目の措置ーー警告の方法、威嚇の方法、応戦の手順などは政省令で明確に定めておくものとする。)

 

2 部隊法会議を設置し、その運用要綱を定める。この法律に違反した部隊の責任者の処罰、順守した部隊の賞与などを決定する。