国防関連産業育成法

 

かつて、50%以上の世界シェアを占めていた半導体産業は、米国のごり押しと円高によって、無残にも7%に落ちてしまった。自由貿易を旗印としていた米国は、覇権を維持するために、管理貿易を押し付け、プラザ合意により無理やり日本の産業界の力をそいでしまった。

 

彼らの言い分は、通産省の産業政策は、自由貿易に反するという論法であった。しかし、米国こそ、最大の産業政策の実施者であった。彼らは、国防省に多額の補助金をつけさせ、インターネットの開発、半導体の発明、航空宇宙産業の育成を図っていたのである。

 

したがって、日米交渉の時、「わかりました。それでは、補助金は、通産省や文部省でなく、防衛庁を通じて行いましょう。あなたの国防省の真似をして」といえばよかったのであるが、縦割りの行政では、そんな知恵は浮かばなかった。CIAに弱みを握られていた小沢一郎などの政治家も、抵抗できなかったのである。

 

今からでも遅くない。産業上重要な技術は、「安全保障上の重要技術」と位置づけ、防衛省の予算として、思い切った補助金を投じなければならない。半導体に中途半端な補助金が、産業支援機構から与えられているが、これでは米、中、韓に対抗できない。

問題は、防衛予算がGNPの1%に抑えられていることだが、これは内閣官房の政治力により、突破するか、あるいは計数上は経産省の仮予算として計上すればよいだろう。(いずれにしろ、財務省のプライマリーバランスは、意味がないので、破棄する必要がある)

 

そのうえで、三菱重工が開発している国産旅客機も、防衛省が輸送機として50機以上注文すればよい。米、中、韓に対抗する新産業が離陸するには、どうしても国家の支援が必要なのである。(輸送機は、災害対策としても急務である。)ハイドロメタンやフリーエネルギーなど新エネルギーの開発、個体電池の開発、ロケット用固体燃料の開発、放射線の無害化技術、ドローン技術などにも、多額の資金を供給しようではないか。

 

今こそ、経団連が、国防関連産業育成法の制定に向けて動くべき時期である。国家100年の計のために。

 

国防関連産業育成法(趣旨)

 

1 内閣官房は、安全保障上重要な技術を毎年指定するものとする。

2 それを産業上離陸させるために必要な開発資金を内閣官房予算として計上し、予算成立後は、防衛省に移管するものとする。

3 産業上離陸したと判断された後の補助金、交付金は、経産省など関連省庁の管轄に移管するものとする。

4 安全保障上重要な技術は、海外移転を禁止し、そのための措置を講じる。海外企業への事務委託を禁止し、電子情報の窃取に対し報復的な電子妨害措置を講じるなど、情報漏洩の防止策を講じる。

5 外国企業に対する特許の侵害訴訟について、一定割合の補助金を支出する。

6 重要技術の開発に従事する日本人の大学院生、研究助手らに相応の学費と研究費を与える。